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第4回東京都エイズボランティア講習会

よしおか 

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「エイズボランティア講習会」は東京都衛生局の主催で95年10月19日〜21日までの計3日間の日程で開催されました。講座の中で特に興味深かった内容をピックアップしてご紹介したいと思います。

- この「エイズボランティア講習会」は毎年、東京都衛生局が行なっているもので、今年で4回目です。講座は全部で6つありました(図1参照)。
 また、参加申込みは各ボランティア団体に通知が来て、団体毎にするようになっているので、一般への告知はしていないようです。来年度も開催されるようですので、今回参加しそびれてしまったあなたも来年はぜひご一緒に参加しましょう。
 なお、この原稿は僕のメモをもとに書いていますので、間違いなどがありましたらごめんなさい。また、質問やご意見などがありましたらお知らせください。


[図1]ボランティア講習会スケジュール


■治療・健康管理   岡慎一

リンパ球の多くはリンパ節にある

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日和見感染症(CD4数200以上)

その他の日和見感染症について

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チェックリストをもとに除外診断をする

おとなしいウイルスと悪いウイルス

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■注釈

[1]リンパ球 白血球の一種で、体をウイルスなどの微生物から守る免疫が正常に機能するためにはとても重要な細胞。骨髄で作られ、リンパ節内や血液中などに存在する。多くの細かな種類があるが、大きくT細胞とB細胞の2つに分けられる。
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[2]HIV感染症 HIVに感染した状態。感染直後に風邪に似た症状を示したり、首のリンパ節が腫れたりすることもあるが、これといって特徴的な症状はない。進行すると、免疫力が低下し、各種の日和見感染症を引き起こす。

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[3]初期急性期 感染直後の比較的症状の激しい時期。

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[4]CD4数 その人の免疫力を表す指標の一つ。CD4とは免疫全体をつかさどるヘルパーT細胞の表面にある抗原(名札のようなもの)のことだが、この抗原を持つ細胞(ヘルパーT細胞など)をCD4またはT4と呼ぶこともある。CD4数と言った場合には、CD4を表面に持つ細胞の数をいう。成人の正常値は600〜1400/μlであるがHIV感染症では徐々に減少し、エイズ発症時には200以下にまで減少していることが多い。

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[5]日和見感染症(合併症) 免疫力が正常な人では問題にならないような病原性の弱い微生物が、免疫力が衰えると害を及ぼすようになる。これを日和見感染症と言う。HIV感染症に付随して起こることから、HIV感染症の合併症といわれることもある。現在日本では、HIV感染者がカリニ肺炎をはじめとした23種類の日和見感染症のいずれかを発症した場合に、エイズが発症したと言っている。

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[6]帯状疱疹 以前に感染した水痘(みずぼうそうのこと)ウイルスが脊髄の中にある神経細胞の中に潜んでいて、免疫力が衰えるとそのウイルスが活動を始め、皮膚に帯状のみずぶくれを作る。非常に痛い。エイズ以外の場合にも時にみられることがあり、これだけではエイズと診断されない。

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[7]アメーバ性肝膿瘍 通常はアメーバ性赤痢(赤痢とは、粘液と血液の混じった下痢のこと)を起こす赤痢アメーバが肝臓に侵入し、強い炎症を起こすこと。膿瘍とは、いわゆる「うみ」のこと。

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[8]カポジ肉腫 悪性腫瘍の一つ。皮膚や消化管粘膜に発生しやすい。

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[9]インターフェロン 体の中の細胞が作る物質の一つで免疫力を強くする作用や抗がん作用、抗ウイルス作用をもつ物質の総称。大きくα、β、γ型に分けられ、合計20〜25種類あり、それぞれ構造が違う。

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[10]カリニ肺炎 ニューモシスチス・カリニという真菌に近い微生物によって起こる肺炎。PCPと略記することもある。ニューモシスチス・カリニは、ごくありふれた微生物で、ほとんどの人が肺の中に持っている。免疫力低下により活性化して肺炎を起こす。

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[11]一次予防 予期される疾患について症状が出る前に前もってしておく予防のこと。カリニ肺炎についてはCD4数が200以下になった際に行なわれる。  また、二次予防とは再発予防のことで、トキソプラズマ脳症、CMV感染症、クリプトコッカス症などについて行なわれる。

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[12]眼底検査を必ず行う 医師が糖尿病患者に適切な治療を行なわなかったために患者が失明したら、医師が責任を問われるのと同様、今後はCD4が100以下の患者に眼底検査をしなかったために失明を招いた場合は医師の責任が問われることになるだろうと、指摘するエイズ診療医もいる。

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[13]CD8 CD8はT細胞の一つであるサプレッサーT細胞の表面にある抗原のことだが、この抗原を持つ細胞(サプレッサーT細胞など)をCD8またはT8と呼ぶこともある。CD8数といった場合には、細胞の表面にある抗原の数ではなく、CD8を表面に持つ細胞の数をいう。HIV感染者では感染初期から中期はむしろ増えるが、発病頃には急激に減ってしまう。

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[14]エイズ脳症 HIVが神経のグリア細胞の中で増え、2次的に炎症が起こり、神経細胞が死んで脳が萎縮し、痴呆や様々な神経症状を示すもの。エイズの末期の合併症。AZTは脳にも到達するので予防効果があるかもしれない。

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[15]MAC 非定型抗酸菌症の略称。結核菌の仲間である細菌の感染によって起こり、結核に似ているが、結核の治療薬が効かないことが多い。クラリスロマイシンという薬を使う。

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[16]細胞性免疫 T細胞が中心となって、異物を排除しようという免疫の仕組み。ウイルスに感染された自己の細胞自体を破壊することもある。

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[17]液性免疫 抗原に抗体という蛋白質がくっつくことによって、抗原を排除しようとする免疫の仕組み。抗体は、血液を血球(赤血球、リンパ球など)と血清に分けた場合、血清という液体の部分に存在するので、液性免疫という。T細胞を介してB細胞が抗体を作る場合(1回目)と、B細胞が直接反応して作る場合(2回目以降)があり、2回目は1回目よりも素早く大量の抗体が産生される。  抗体には、中和抗体と非中和抗体の2種類があり、ある感染症について一度中和抗体が産生されるようになると、その感染症は治癒(病気が治ること)し、同じ感染症には2度と感染することはないが、すべての感染症について、中和抗体が産生されるとは限らない。例えば、HIVやC型肝炎、梅毒などに感染したとき産生される抗体は中和抗体ではない。また、B型肝炎の場合には、中和抗体(HBs抗体等)と、中和抗体ではない抗体(HBc抗体等)の2種類が存在する。

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[18]抗HIV薬 HIVに対して効果のある薬。ウイルスの生活ぶりを考えて、その中のHIVに特別なあるステップを邪魔してウイルスを大人しくさせる薬。1996年2月現在ではAZT、ddI(承認済み)、ddC(承認待ち)、D4T(治験中)、3TC(間もなく治験開始予定)等、逆転写酵素の阻害剤が多い。第二世代の薬としてHIVプロテアーゼ(蛋白分解酵素)阻害剤の研究開発も進んでいる。

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[19]治験 治療試験の略で、ここでは新薬が承認されるために必要な臨床試験(トライアル)のことを指す。条件に合う特定の被験者に薬を投与して効果や副作用を調べる。その試験結果によって承認されるかどうかが決まる。

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[20]口腔管理 口の中の健康管理。虫歯・歯槽膿漏などの歯周疾患を予防し、早期発見・治療をおこなうこと。

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[21]HIV陽性者 HIV抗体陽性者のことでHIV感染者・エイズ患者を指す。他にもPWA、PWA/H、PHA(People with HIV/AIDS)という呼び方がある。

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[22]無症候性キャリア(AC) HIV抗体陽性で、体内にHIVが潜んでいるが、身体に自覚症状も他覚的所見もない(無症候の)時期の感染者を言う。

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[23]ステージ 病状の段階のこと。一般にHIV感染症は症状によって無症候性キャリア(AC)、エイズ関連症候群(ARC)、エイズという3つの段階に分類されている。

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[24]患者への感染を防ぐために 診療時の感染対策は医療従事者の防御としてだけ行なうべきではなく、免疫力が低下している患者自身のためという視点で考えていくことも重要。

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[25]キンバリー事件 エイズで死亡したアメリカの歯科医師による治療を受けていた人の何人かがHIVに感染していたという事件。これらの患者が感染したHIVと、歯科医師が感染していたHIVの型が一致したという報告もあるが、事件が明るみに出たときには既に歯科医師が死亡していたため、詳しい事情は不明である。

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▼注釈の参考文献

「SHIP NEWSLETTER」
[編集・発行]SHIP(ステイ・ヘルシー・インフォメーション・プロジェクト)
「エイズ・ケア提供者のためのエイズ・HIV病関連用語集」
[編集]広島大学医学部付属病院 高田昇・藤井輝久
[発行]広島エイズ・ダイアル


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