症例から学ぶHIV感染症診療のコツ-JAPANESE- / 04
2000.11.30

jap0004

 
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スライド4.5
 数ヶ月の経過観察後、CD4は350まで低下、ウイルス量は35,400に増加しました。本セッションではこの症例について更に経過観察を行うというオプションは与えられずスライド4にある5ヶのオプションから処方を選ぶという流れに設定されました。(勿論、フロアーからの指摘にもあったようにこの時点においても更に様子を見るというオプションがあっても良いわけで特に年齢が21歳という事、CD4が下がったといってもまだ350である事などから治療開始時期についてもindividualizeするという事が大切な事はいうまでもありません。)
 さて治療オプションですが最も多くの方(58%)がvoteされたのがオプション3、即ちd4T/3TC/EFVの組み合わせでありました。プロテアーゼ阻害薬をspareするという意味からも十分認識されたNNRTIの実力(ウイルス量が10万以上という症例でもプロテアーゼ阻害薬に負けない効果が期待できる)からも、そして服薬のしやすさという点からもfirst lineの治療として選択して良い内容であると言えます。筆者の外来においても最も多く使用される組み合わせのひとつと言えます。
 ABCについては岩本先生のご指摘とおりデータ的に多少の心配が残り選択される方も小数に止まりました。しかしTrizivir(AZT/3TC/ABC)といった製品が入手可能となれば現場の対応は変わってくる可能性もあります。