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ぼちぼちインターネット[第三回]
情報の海でおぼれない方法

かわぐち 

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-■途方にくれてしまうほどの膨大な情報

 愛機パワーブックの入院騒動で、連載に一回穴を開けてしまいました。どーもすみません。

 さて、今回のお題は、「インターネットでどう情報を探すか」です。
 原爆の作り方から最新の宇宙理論まで、インターネットにはとにかく膨大な情報があります。
 気の向くままにネットサーフィンを楽しんでいるうちは、その膨大さを単純に喜んでいられるのですが、いざ何か特定の情報を探そうとすると、たちまち途方にくれてしまいます。

- ○○ってどこの会社の製品? といったごく単純なことを調べるために、30分以上もネット上をうろうろしたり。
 インターネットに少し慣れてくると、このあたりに一番の不満を感じるようになります。

 そこで今回は、インターネットで目指す情報をいかに効率よく見つけるかを考えてみたいと思います。

■検索専用データベース「サーチエンジン」

- インターネットのワールドワイド・ウェブ(WWW)には「サーチエンジン」と呼ばれる検索専門データベースがいくつもあります。なんでも検索してしまう万能のものもあれば、ある特定のジャンルに対応した検索システムもあります。
 それぞれに検索の方法や「クセ」があって、見比べるだけでも結構面白かったりします。実際には、自分の興味とそのエンジンの「クセ」が合うところを二つ三つ選んで、ネットスケープなどのブラウザ(閲覧ソフト)に「よく行く場所だから覚えといてね」と登録することになると思います。

■まずはメジャーどころ「ヤフー」から

- 図1は、連載1回目にも登場した超有名検索エンジン「ヤフー」です。
 本人曰く「グータラな大学院生」だった若者がスタンフォード大学の軒下を借りて始めたサイト(WWW上に無数にあるデータベースの一つ一つをさす言葉)ですが、あっという間に人気サイトになり、今ではスポンサーもついて独立サイトとして運営しています。

 ヤフーの特徴は、ジャンル別に整理された情報リストと、キーワード検索が一緒になっていることです。ジャンル別メニューは、関心のある分野の情報源をあちこちのぞいてみたいという時に役に立ちますし、気ままなネットサーフィンの出発点としても便利です。図2は、ヤフーのアート〜雑誌のインデックスです。

- ジャンル別リストというのはなかなか便利ですが、じつは特定の情報を探すときにはあまり役に立たなかったりします。

 図1のヤフーページのタイトルの下には、空欄と「サーチ」と書かれたボタンがあります。
 ここに探したい物件のキーワード(英語)を入れてサーチボタンを押すと、キーワードを含むページを持ったサイトのリストが出ます。

 ヤフーの場合、スペースで区切りながら単語をいくつも入れてゆけば、入力したキーワードをすべて含むページの検索ができます(いわゆるAND検索)。

- キーワード検索といっても、検索するのはそのサーチエンジンが持っているリストだけです。

 リストが古ければ、当然古い情報しかヒットしませんし、サーチエンジンごとにリストの更新の方法(単にサイト製作者からの届け出を待つだけでなく、定期的にインターネット中を巡回してサイトを見つけてくるようなシステムもある)やリストの傾向が違ったりします。

 あくまで個人的な意見ですが、ヤフーのキーワード検索システムは、あまり細かな情報の検索には向いていないように思えます。

- 細かい情報を検索するときに最近筆者が愛用しているのは、最近できたばかりのアルタ・ビスタというサーチエンジン(図3)。
 けっこう賢く、しかも異常に高速なので人気急上昇中のサイトです。

 図3の入力欄に「エイズ」「プロテアーゼ」「阻害剤」の3つのキーワードを入れて検索させてみました。その結果が図4です。

 けっこう新しそうな情報が入っています。適当な一つをクリックしてみると、図5のページにジャンプしました。最近の臨床試験のデータのようです。

- このサイトの表紙にあたるページにジャンプしてみると、なかなかしっかりした学術サイトっぽい画面が(図6)。

 情報の更新もまめそうなので、これからもちょくちょく回ってみたいですね。こんなときには、、閲覧用ソフト(ブラウザ)のネットスケープでブックマーク(しおり)をつけておけば、次からはネットスケープのメニューから直接このページにジャンプできます。
 

■日本語での検索も可能

- サーチエンジンはほかにも山のようにあります。図7は、オープンテキストというサーチエンジンの「パワーサーチ」。
 キーワードを5種類まで入力できるほか、「これは含まない」とか「これかこれを含む」とかいったきめ細かな指定ができます。キーワードのある場所(ページの名前か、本文か)も指定でき、効率のよい検索が可能です。

 図8図9は日本語での検索が可能なサーチエンジン。
 日本語を英語に翻訳して検索してくれたり、海外のサーチエンジンでは探しづらい日本国内のサイトを検索できたりします。
- 図9のサイバースペースジャパンの検索システムは無愛想ですがよくできていて、われらがLAPのページ(図10=略)や支える会のページ図11)もしっかり検索できます。

■リンク集も活用しよう

 これまであげたのはいわば「汎用」のサーチエンジンですが、特定の分野に絞ったエンジンもあります。

 図12の「アルティメット・バンド・リスト」は、その名のとおり世界中のバンド関連のサーチエンジンです。
- インターネットにはピンク・フロイドの収録曲目+歌詞カード付き完全レコードリスト(海賊版を含む)なんてデータもありますが、その手の情報はここを使って探すのがいちばん簡単です。
 検索がちょっと遅いのと、カルトなバンドにやや偏りがち(インターネット自体が全般にそうなのですが)なところが玉にキズ。ABC別のリストから目的のバンドを捜す方が実用的かも。

 また、サーチエンジンとはいえませんが、いろんなサイトにある「他の関連サイトリスト」も、使い方によってはかなり便利です。

 図13アフリカン・アメリカンの文化や歴史を学べるサイトや、彼ら自身の手による面白サイトを集めたリスト。
- 例によって文字を直接クリックすれば目的地に飛べるので、単なるリストというよりは案内所という感じです。

 LAPのページにも、同様のリストはあります。また、図14のようにサーチエンジンばかりを何十種類も集めたページもあります。
 

■情報の海を上手に泳ぐには…

 インターネットの特徴は、ものすごい量の情報がすべて並列に並んでいることです。

- 熱帯魚の飼い方もビル・ゲイツの悪口も、CNNのリアルタイムなニュースも、ネットワークの中ではすべて平等です。
 これははっきりいって革命的にいいことだと思うのですが、情報に「強弱」がないということは、それだけものが探しにくいということでもあります。見出しのまったくない新聞を読むことは想像できますか? インターネットの情報は、まさにそういう形であるわけです。

 そんな情報の海を上手に泳ぐには、まず自分の好みにあった汎用サーチエンジンを探すこと。

 そしてもっと細かい自分の好みにあった関連サイトリストをいくつか確保すること。-

 これらをあなたのブックマークに加えるだけで、インターネット生活はずっと楽しくなります。

 この文章のためにサイトめぐりをしていたら、とってもクールなサイトを偶然見つけました。アジア各国のゲイ&レズビアンのための「ユートピア」というサイトです(図15)。

 これを今回のイチ押しサイトに認定して、今日はこのへんで。

[かわぐち]


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