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HIVエイズ基礎知識講座2


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エイズ・HIVってどうやってうつるの?


HIVの感染経路

さすがにこのごろはキスでエイズがうつるとか、握手でうつるとか言う人はほとんどいなくなりました。しかし、ほんの二、三年前までは本気でこんなことを言っていた人がたくさんいたのです。

そう言っていた人たちの多くは、そのようなことではうつりませんと言うと、「じゃあ、絶対100%うつらないのか」と言ってきます。

・「じゃあ絶対100%うつらないの?」

うーん、100%というのはすごいですね。こう言われてしまうと何とも答えられなくなります。でも、この世の中に100%そうだ、ってものはどのくらいあるでしょうか?

例えば、エイズよりも数倍、数十倍身近なものに車があります。車はエイズに比べればはるかに身近だし、とても危険です。おそらくあなたの周りでHIVに感染している人はいなくても、車の事故を経験したことのある人はひとりはいるでしょう。

車は危険だということで、歩きにすれば100%安全でしょうか。まさかね。じゃあ、気をつけて歩いていれば大丈夫でしょうか。これだって自分が気をつけていたって、相手がどんな運転をしてくるかわかりません。

それでは、歩道を歩いていれば100%安全でしょうか。いや、これは違いますね。幼稚園児たちが歩いていた歩道にトラックがつっこんだという事故がありました。じゃあ、外に出なければ安全でしょうか。これも違いますね。いろいろな天災はありますし、隕石が空から落ちてきて車を直撃したなんて事故もありました。

では、車や事故から話をかえて、例えば人は100%死ぬでしょうか。実は、これもわかりません。これから先、医学や科学がどのようになるかわかりません。少なくとも今、生きている人がひとりでもいるということは「人は100%死ぬ」ということは言い切れません。もちろん、死なないということも言い切れませんが。

ですから100%どうのこうの、ということに答えることはとても難しいことなのです。これを受けて立った時点で、ほとんど勝ち目はなくなります。

みなさんが、この質問を受けたときに相手が「100%の話題」を出したときは逃げた方がいいでしょう。

・「どんな行為でうつるのか、うつらないのか」の基礎

でも、どんな行為がうつるのか、うつらないのかについてはちゃんと理解をしておく必要があります。と言っても、うつる行為、うつらない行為をひとつひとつ覚える必要はありません。その基本となるところをちゃんと押さえておけば、どんな行為でも自分で考えられるのです。

・HIVに感染するための必要条件

HIVはとてもうつりにくいウィルスなのです。つぎの3つの条件がそろった時にはじめて感染の可能性が出てきます。

1.HIVがあること

当然のことですが、HIVがなければうつりません。ですから、HIVが存在しなければ、どんな<行為>もエイズをひきおこすことはできないのです。

2.感染するために充分な量のHIVが体液に含まれること

感染している人のさまざまな体液からHIVは見つかっています。しかし、感染するためには、その体液の中に、相当な量のHIVが集中して存在している必要があります。そのような体液は4つしかないのです。

HIVがたくさん含まれている体液とは、

  1. 血液
  2. 精液[注1]
  3. 膣分泌液
  4. 母乳[注2]

の4つだけです。その他の体液にはHIVが含まれていることはあっても、感染するほどの量はありません。

[注1]精子が出る前の透明な液(カウパー氏腺液:プリカム)に、感染にたる充分な量のHIVが含まれているかどうかは、いまだに議論の分かれるところです。もし、気になるようでしたら、避けて下さい。

[注2]HIVを含んだ母乳でも免疫の弱い人が大量に摂取(赤ちゃんのように)しなければ感染の可能性は生まれません。

3.HIVが体内を流れる血管内に入る

HIVがたくさん含まれている体液でも、皮膚についただけでは感染はしません。HIVが血管内に入ってはじめて感染の可能性が出てくるのです。

フェラチオ(口内射精も含めて)やクンニなどで口中に入った液は、基本的には消化器に入ります。ですから、血管に入る確率はほとんどありません。

以上の3点がすべて揃ったときに、はじめて感染の可能性が生まれます。

これは注意して下さい。以上の3点がすべて揃っても、そこに生じるのは感染の可能性だけです。絶対に感染するというわけではないのです。

HIVをもっている人とコンドームなしでセックスをして感染する確率は0.1%から1.0%と言われています。この3要素が揃っても、100回から1,000回に1回しか感染する可能性はないのですね。これはあらゆる病気の中でも、もっとも感染確率の低いもののひとつでしょう。

・じゃあ、どんな感染経路があるの?

では、以上をふまえてどのような感染経路があるのかを考えてみましょう。

ただ、これもあくまで感染経路だ、というだけにすぎません。絶対感染するというわけではありません。また、ここで扱うのは経路だけです。HIVがあるか、ないかということは考えていません。どのような経路でもHIVがなければ感染しません。

《HIVの4つの感染経路》

1.輸血

HIVが血管内に最も入りやすい行為は輸血です。しかし、国内においては、現在では輸血用の血液や血液製剤などには安全体制がとられています。

2.コンドームを使わない性交渉による感染

性交渉は1回の行為での感染の確率はとても低いのですが、現在では最もポピュラーな感染経路です。世界的にも異性間の性交渉による感染が主流です。コンドームを正しく使うことによって、感染の可能性はほとんどなくなります。

3.注射針の共用による感染

麻薬の静脈注射をする時に、仲間意識を高めるために同じ注射器や注射針で回し打ちをすることがあります。感染している人の血液が注射針や注射器内に残っていた場合は、それが直接静脈内に注入されるわけですから、とても感染する確率の高い行為になります。
現在、日本ではあまり多くない感染経路ですが、近ごろ若者の間で好奇心による麻薬の濫用が増えています。啓発も含めた対策がこれから必要になる経路です。

4.出産による子どもへの感染

母親がHIVに感染していると、生まれてくる赤ちゃんにも感染する場合があります。これも絶対ではありません。

・だからこんなことではうつりません

こういったことではうつらないことは以上のことから説明がつきますね。また、これ以外のことでも判断ができますね。

せき・くしゃみ/理・美容院/おしゃべり/握手/お金のやりとり/蚊・はえ・ノミ・ダニなどの昆虫/共同浴槽/トイレ/カラオケのマイク/プ−ル/シャワ−/吊り革・手すり/同じ食べ物をつつく/公衆電話/コインランドリ−/マ−ジャン/献血/抱き合う/同じグラスや食器を一緒に使う/楽器の共用/キス…などなどなど

・蚊からうつらない理由

蚊は何度うつらないと言われても、本当かな、と思ってしまいます。

でも、次の4つの理由で蚊からの感染はありません。

  1. 蚊は確かに血を吸いますが、蚊が注入するのは血ではなくて唾液です。ですから、前の人の血液が次に刺された人に注入されることはありません。
  2. HIVは蚊の体内で死んでしまいます(マラリアなどは蚊の体内で増殖します)。
  3. 蚊の吸う血液は感染に足る量の10万分の一と言われています。
  4. 蚊が多くHIVが流行している土地でも、エイズの分布は他の地域と変わりません。

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