LAP「らい予防法の廃止等について
(答申)」について


「らい予防法の廃止等について(答申)」について

 公衆衛生審議会は、標記について平成8年1月22日諮問を受け、同日審議を行い別添のとおり答申を行った。


                                                          公衛審第1号      
                                                          平成8年1月22日

 厚生大臣 管  直 人 殿

                            公衆衛生審議会     
                       会 長 大 谷 藤 郎

                             答   申   書

 本日付け厚生省発健医第14号を持って諮問のあった件については、諮問のとおり了
承する。
 なお、療養所入所者に対する処遇の維持継続を図る観点から、今後とも、患者給与金
等の予算措置についても、引き続き継続すべきであることを申し添える。


                                                        厚生省発健医第14号
                                                        平成8年1月22日  

 公衆衛生審議会
   会長  大谷 藤郎 殿

                       厚生大臣  管 直人

                             諮   問   書

 らい予防法(昭和28年法律第214号)を別添要綱のとおり廃止すること等につい
て、貴会の意見を求めます。

(別添)
   らい予防法の廃止に関する法律案要綱
第一 らい予防法の廃止
    らい予防法を廃止すること。
第二 国立ハンセン病療養所の入所者等に対する措置
一 国立ハンセン病療養所における療養
  国は、国立ハンセン病療養所において、この法律の施行の際現に国立ハンセン病療
 養所に入所している者であって、引き続き入所するもの(以下「入所者」という。)
 に対して、必要な療養を行うものとすること。
二 国立ハンセン病療養所への再入所
  1  国立ハンセン病療養所の長は、この法律の施行の際現に国立ハンセン病療養所に
  入所していた者であってこの法律の施行後に国立ハンセン病療養所を退所したもの
  又はこの法律の施行前に国立ハンセン病療養所に入所していた者であってこの法律
  の施行の際現に国立ハンセン病療養所に入所していないものが、必要な療養を受け
  るため、国立ハンセン病療養所への入所を希望したときは、入所させないことにつ
  いて正当な理由がある場合を除き、国立ハンセン病療養所に入所させるものとする
  こと。
  2 国は、1の規定により入所した者(以下「再入所者」という。)に対して、必要
  な療養を行うものとすること。
三 福利増進
    国は、入所者及び再入所者(以下「入所者等」という。)の教養を高め、その福利
 を増進するように努めるものとすること。
四 社会復帰の支援
  国は、入所者等に対して、その社会復帰に資するために必要な知識及び技能を与え
 るための措置を講ずることができるものとすること。
五 親族の援護
 1 都道府県知事は、入所者等の親族のうち、当該入所者が入所しなかったならば、
  主としてその者の収入によって生計を維持していると認められる者等が、生計困難
  のため、援護を要する状態にあると認めるときは、これらの者に対し、援護を行う
  ことができるものとすること。
  2 都道府県は、1の規定による援護に要する費用を支弁するとともに、国庫は、当
  該支弁に係る費用の全部を負担するものとすること。
  3 1の規定による援護として金品の支給を受けた者は当該金品を標準として租税そ
  の他の公課を課せられることがなく、また、当該金品は差し押さえることができな
  いものとすること。
第三 施行期日等
  一 この法律は、平成八年四月一日から施行すること。
  二 優生保護法に規定するらい患者に係る規定を削除すること。
  三 厚生省設置法に規定する「らい」の語を「ハンセン病」に改めること。
  四 この法律の施行に関し必要なその他の経過措置を定めるとともに、その他の関係
  法律について所要の改正を行うこと。


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