LAP HIV検査の実施について
(通知)


平成5年7月13日      健医発感第78号
厚生省保健医療局エイズ結核感染症課長通知

 エイズ対策の推進については、日頃よりご協力いただいているところであるが、近時、HIV検査の実施において、本人の同意なく実施していた事例が見られることから 、HIV検査に係る以下の事項につき貴管下関係機関の指導をお願いする。

【1 HIV検査実施に対する基本的な考え方】
 HIV抗体検査の実施に当たっては、人権保護の観点から、本人の同意を得て検査を 行うことまた、検査結果の取扱いについてはプライバシーの保護に十分配慮すること 。

【2 医療機関におけるHIV検査実施について】
 患者に対する検査実施に当たっては以下の点に十分配慮すること

(1)患者本人の同意を得ること。
 観血的処置を行う場合において医療機関内感染防止を主たる目的としてHIV検査を実施する場合にも、患者の同意が必要であること。
 患者本人が意識不明である等により同意がとれない状況においては、医師の判断によってHIV検査を実施することも認められる。小児患者に対してHIV検査を実施する場合には、保護者の同意を得て行う。
 なお、HIV検査の実施に当たって患者の同意が得られない場合には、HIVに感染している可能性があることを前提として対応する。

(2)検査前及び検査後の保健指導あるいはカウンセリングがなされること。

(3)結果についてプライバシーが守られること。

(4)HIVに感染していることが判明した患者・感染者に対して、検査を実施した医療機関において適切な医療が提供されること。検査を実施した医療機関においてやむを得ず対処できない場合には、他の適切な医療機関へ確実に紹介すること。
 なお、各都道府県においては、エイズ治療体制の整備に努めること。
 妊婦に対して HIV検査を実施する場合には、検査前後のカウンセリングが特に重要になる。また、検査結果についてはプライバシー保護の観点から母子健康手帳に記載しないこと。

【3 医療従事者に対する検査実施について】
 医療従事者の HIV検査の実施に当たっては、あくまでも本人の同意のもとに任意で行い、結果についてのプライバシーの保護に十分配慮すること。

【4 就学時、就職時のHIV検査の実施について】
 HIVは日常生活においては感染しないことから、就学時、就職時のHIV検査は実施しないこと。


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