症例から学ぶHIV感染症診療のコツ-JAPANESE- / 21
2000.11.30

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スライド20,21

 症例6はHAARTによるリポジストロフィ、脂質代謝異常、更に乳酸値の上昇を認めた症例です。与えられたオプションはスライド20の通りです。オプション1を選んだ方が最も多く34%を占めました。しかし、クリツケス先生は仮に休薬をして症状が改善しても再び何か治療を開始しなければならないのだから、ただ中止というわけにも行かないだろうとコメントされました。岩本先生もご自身の経験から乳酸値が上昇しているが全く無症状の患者さんが少なくなかったと話されました。オプション2は21%の方が支持されましたがリポジストロフィが問題になっている患者でその大きな原因である逆転写酵素阻害薬を使用しつづける事はどうかと思うというコメントがクリツケス先生からありました。オプション3も同様の問題があります。あとはオプション4か5ですがRTV/SQVの組み合わせは脂質代謝異常を生じるのでプラバスタチンを用いるオプション5が残りました。


まとめ

去年インタラクティブセッションを引き受けてくださったスクーリ先生が2000年春に行われたのIAS-USAのワークショップで「日本の医師の回答のレベルが高く、米国の同様のセッションに参加される医師と比較しても何ら遜色ない」というコメントを下さっています。今回のクリツケス先生も同様の感想を残して帰国されました。ファシリテータとして岩本先生も私自身も大変誇らしく感じた事です。来年も同様の企画が出来ればと考えております。